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📡️ Friis伝搬損失計算機

Friis伝搬公式による自由空間伝搬損失と受信電力の計算。MHz/GHz、km/マイルに対応し、送受信アンテナ利得とケーブル損失も考慮します。

このツールとは?

無線設計の最初に手にするのがFriisの伝搬公式です。送信電力、両端のアンテナ利得、周波数、距離が分かれば、受信点に届く電力が予測できます。デシベル表示では自由空間伝搬損失がLₔ=20·log₁₀(4πd/λ)、受信電力はPₘ=Pₕ+Gₕ+Gₖ−Lₔ−(ケーブル・コネクタ損失)と表されます。

TX + Gₕ distance d, frequency f RX + Gₖ Pₘ = Pₕ + Gₕ + Gₖ − Lₔ

自由空間伝搬損失は、距離が10倍になると20dB、周波数が10倍になっても20dB増加します。同じ距離なら5GHzのリンクが900MHzよりはるかに多くの損失を被り、ミリ波帯で高利得アンテナが必須になる理由もここにあります。実際の現場では建物や反射、降雨が損失を上乗せしますが、Friis式はあらゆるリンクバジェットの出発点となる理想的な基準線を与えてくれます。地形や障害物による回折の影響は見通し距離計算ツールで確認できます。

仕組み

周波数と距離を共通単位に揃え、波長λ=c/fを計算してから、Friis式のデシベル形を適用します。伝搬損失の出力は常に自由空間値です。実際の降雨や高湿度は1kmあたりの追加損失を生みますが、本ツールは大気減衰をモデル化していません。受信電力は送信電力・アンテナ利得・総損失から導出され、ユーザーが設定した受信感度に対するリンクマージンとしても表示されます。

周波数1kmでのFSL備考
900MHz91.5dB携帯電話・LoRaの典型
2.4GHz100.0dBWiFi・ISM帯
5.8GHz107.7dBPtMP・WiFi5
10GHz112.4dBバックホール・衛星

算出されるリンクマージン(受信電力から受信感度を引いた値)がリンク成立の判断材料です。10dB以上あれば、降雨やフェージングの余裕として安心できます。ハードウェアを発注する前に、フレネルゾーンが空いているかも見通し距離計算ツールで確認しておきましょう。

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使い方

  1. 周波数を入力します(MHzまたはGHzを選択)。
  2. リンク距離を入力します(kmまたはマイル)。
  3. 送信電力(dBm)と送受信アンテナ利得(dBi)を入力します。
  4. 任意項目として、片端あたりのケーブル損失と受信感度を設定します。
  5. 「計算」を押すと、伝搬損失・受信電力・リンクマージンが表示されます。

よくある質問

なぜ自由空間伝搬損失は距離と周波数の両方で20dB/decadeになるのですか?

Friis式の広がり項(4πd/λ)は距離と波長の比です。距離が2倍になれば広がりも2倍(6dB)。周波数が2倍になれば波長が半分になり、経路上の波長数が2倍になるためさらに6dB加わります。

信頼できるリンクに必要なマージンはどのくらい?

固定ポイントツーポイントなら、降雨・樹木の揺れ・機器の経年変化を見込んで10〜20dBが標準です。屋内WiFiなら最低5〜10dBを目安にします。マージンは受信電力と受信感度の差です。

Friis式は屋内でも使えますか?

上限値としてのみ有効です。屋内では反射・壁・家具で自由空間損失に10〜30dBが上乗せされます。屋外の見通しリンクには最適ですが、屋内の設計ではITU-R P.1238などのモデルか実地調査を使いましょう。

降雨減衰はどう組み込みますか?

降雨減衰が効くのは主に10〜12GHz以上の周波数です。降雨強度と周波数に応じて、片道あたり0.1〜1dB/kmの追加損失を見込みます。本ツールは大気減衰をモデル化していません。免許リンクではITU-R P.838の正式手法を使ってください。

衛星リンクにも使えますか?

使えますが、地表距離ではなくスラントレンジ(斜距離)を使い、低仰角での大気吸収や偏波の影響も考慮してください。静止衛星の場合、伝搬損失だけでC/Kuバンドでは通常190〜210dBに達します。

アンテナが互いに向いていなかったら?

アンテナ利得はボアサイト(主放射方向)を前提にしています。軸がずれると放射パターンに応じて利得が下がり、半値幅の角度でおよそ3dB低下します。高利得パラボラほどアライメントずれが致命傷になるため、実リンクが計算より短い原因の定番です。

ヒントとアドバイス

どんなリンクでも、まず60%フレネルゾーン確保の原則を確認してください。第1フレネルゾーンが樹木や屋根に遮られると、実損失は自由空間値を超えます。周波数を2倍にするとリンクバジェットが6dB失われる点も覚えておきましょう。サブGHzが長距離IoTに好まれる理由です。ケーブル損失は思っている以上に大きいものです。2.4GHzで細い同軸を10m引くと、アンテナの手前で3〜4dB消えます。コネクタと避雷器の損失も片端0.5〜1dBとして計上してください。おおまかな感覚としては、1GHz・1kmの自由空間伝搬損失が約92dBになることを覚えておくと、計算結果の検算に便利です。

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出典と参考文献

最終確認:2026年8月。

  1. H. T. Friis — A Note on a Simple Transmission Formula(1946)。
  2. ITU-R — ITU-R P.525 自由空間伝搬損失。

制限事項

Friis の式は自由空間の条件のみをモデル化しています。マルチパス、フレネルゾーンの遮蔽、降雨、植生は実際の損失を増やします。設計の基準値として使用し、必ず地形を含むリンクバジェットツールで検証してください。

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