🔉 サブウーファー箱体計算機
密閉型とバスレフ型のサブウーファーエンクロージャーをThiele-Smallパラメータから設計。推奨内容積、チューニング周波数、ポート寸法を求めます。
このツールとは?
サブウーファーの音質は、ユニット以上に箱(エンクロージャー)で決まります。密閉型は最もシンプルで、密閉された空気量がユニットのサスペンションにバネとして働き、共振周波数を下げて滑らかで深みのある減衰特性を作ります。バスレフ(ポート付き)型は、チューニングしたダクト=ポートを追加し、チューニング周波数付近の出力を補強します。低域の出力効率が最大3dB向上する一方、チューニング以下の減衰は急峻になります。どちらの設計もユニットのThiele-Smallパラメータ、特にVₔₘ(等価空気量)とF(自由空気共振周波数)から出発します。
出発点の目安は次のとおりです。密閉型ならVₔₘ前後でタイトで音楽的な低音、0.5〜0.7×Vₔₘに絞ればさらに締まりますが深みは犠牲になります。バスレフなら1〜1.5×VₔₘでFの0.7〜0.9倍にチューニングするのが、カーオーディオらしい迫力のある低音の定番です。本ツールは内容積をリットルと立方フィートで返し、選んだチューニング周波数に対するポート長も算出します。低音の周波数と波長の関係を知りたい場合は周波数・波長換算ツールもどうぞ。
仕組み
密閉型では、ユニットのVₔₘと選択したアライメント比(既定0.9)から内容積を導出します。バスレフ型では、内容積とチューニング周波数、指定したポート径から、端部補正付きの標準ベント式L=(c²×S)/(4π²f²V) − 0.732D(S=πD²/4 はポート断面積)でポート長を計算します。ポート断面積の目安(1リットルあたり5〜10cm²)もチェック項目として表示し、ポートの風切り音(チャフ)を防ぎます。
| 箱の種類 | 容積の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 密閉型 | 0.5〜1.0×Vₔₘ | タイトで正確、緩やかな減衰 |
| バスレフ型 | 1.0〜1.5×Vₔₘ | 能率が高く、チューニングに敏感 |
| バスレフ(チューニング) | 0.7〜0.9×F | Fbを下げて低域延長 |
出力されるポートの端部補正と最小ポート断面積の判定は、自作の2大失敗を防ぎます。1つは箱に入らない長すぎるポート、もう1つは大振幅時にチャフする細すぎるポートです。アンプとの組み合わせではデシベル計算ツールで出力レベルを比較し、RMS計算ツールで信号レベルを確認できます。
使い方
- ユニットのVₔₘ(等価空気量)をリットルで入力します。
- 自由空気共振周波数FをHzで入力します。
- 密閉型かバスレフ型かを選択します。
- バスレフ型ではチューニング周波数とポート径を指定します。
- 「計算」を押すと、内容積(L・ft³)とポート長が表示されます。
- ポート断面積の目安を確認し、チャフを防ぎます。
よくある質問
Thiele-Smallパラメータとは何ですか?
F、Vₔₘ、Qₔₘなどのユニットの電気機械特性の測定値セットで、ユニットがエンクロージャー内でどう振る舞うかをモデル化します。Vₔₘはサスペンションと同じコンプライアンスになる空気量、Fは自由空気共振周波数です。箱設計は本質的にこれらと内容積・チューニングのトレードオフです。
密閉型とバスレフ型、どちらが良いですか?
目的次第です。密閉型は箱が小さく、タイトで正確な低音、緩やかな減衰、どの向きでも設置可能です。バスレフ型はチューニング付近で最大3dB多く出力し、同じユニットで低域の見かけが深くなりますが、箱は大きくなり、チューニング以下の減衰が急峻になり、チューニングを誤るとチャフやワンノートのボンボン鳴りが起こります。
バスレフ箱が特定の周波数でボンボン鳴るのはなぜ?
チューニング周波数がユニットと箱に対して高すぎると、Fₘ付近で出力がピークになりワンノートに聞こえます。チューニングをFの0.7〜0.8倍まで下げ、箱をユニット推奨容積に近づけると、特性がフラットに近づきます。
ポートの長さはどのくらいにすればよいですか?
本ツールはチューニング周波数・箱容積・ポート径から長さを導出します。おおまかに言って、低いチューニングほど、また小さい箱ほどポートは長くなります。ポートが箱の内寸より長くなる場合は、径を太くするかスロット形状・屈曲に変更します。
データシートにVₔₘがない場合は?
まともなメーカーのデータシートにはVₔₘとFが記載されています。無い場合は同サイズの類似ユニットから推定するか、メーカー推奨のエンクロージャー容積をそのまま使いましょう。推奨値が公開されているのには理由があります。
箱の容積は耐入力に影響しますか?
間接的に影響します。密閉型は箱を小さくするとバネが強くなり、低域での機械的振幅を抑えてユニットを保護します。一方バスレフ型はチューニング以下でコーンが解放され、振幅が急増してユニットを傷めることがあります。バスレフ設計ではアンプのサブソニックフィルタが有効です。
ヒントとアドバイス
ユニットのThiele-Smallパラメータは必ずデータシートから確認しましょう。見た目が同じでもVₔₘとFはユニットごとに大きく異なります。箱は完全に密閉してください。わずかな隙間で密閉型が制御不能な開放型に変わってしまいます。ポートは箱の容積1リットルあたり約8〜10cm²の断面積を最低限確保し、ポート先端は壁からポート径の1倍以上離します。補強材(ブレース)は容積を奪うので、グロス容積からブレースとユニットの変位を差し引いてください。車内ではキャビンゲイン(60Hz以下で約12dB/オクターブ)があるため、やや高めのチューニングが良く聞こえます。広い部屋のホームシアター用サブウーファーでは低めのチューニングを選びましょう。
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デシベル(dB)計算機,dBと電力/電圧比の相互変換。dBm, dBW, dBV, dBuに対応。オーディオとRF回路のゲイン,損失,SNR,減衰を計算できます
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出典と参考文献
最終確認:2026年8月。
- A. N. Thiele、R. H. Small — バスレフ型スピーカー設計理論。
- Vance Dickason — The Loudspeaker Design Cookbook(エンクロージャーとポートの設計)。
制限事項
エンクロージャーの推奨値は標準的なアラインメントに基づく近似です。実際の性能は、ドライバーの品質、箱の構造、部屋の音響、アンプの設定によって変わります。必ずマイクで最終応答を測定し、聴感で調整してください。