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➿ コイルばね計算機

圧縮コイルばねの設計用:線径・コイル径・有効巻き数からばね定数を算出し、ワール係数で補正したせん断応力とたわみを計算します。

このツールとは?

コイルばねはワイヤーをねじることでエネルギーを蓄えます。ばね定数、つまり1mm縮めるのに必要なニュートン数は、線径・平均コイル径・有効巻き数・材料の横弾性係数の4つのパラメータで決まります。コイルばね計算機は標準設計式k=G・d⁴/(8・D³・N)を適用します。Gは横弾性係数、dは線径、Dは平均コイル径、Nは有効巻き数です。

D (mean coil dia.) d (wire) F k = G·d⁴ / (8·D³·N)

この式は感度が高いことで有名です。線径は4乗で効くため、線径を10%太くするとばねは46%硬くなります。コイル径は3乗で効くため、10%広げると約25%軟らかくなります。小さな設計変更が大きな効果を持つからこそ、ばね設計者は巻く前に計算するのです。荷重Fに対してたわみはδ=F/k、ワイヤーの応力はワール補正で推定できます。ワール補正は単純なねじり公式では見逃される曲率と直接せん断の影響を考慮します。フックの法則の基本についてはフックの法則計算機もご覧ください。

仕組み

荷重を受けたばねのせん断応力は、曲率が応力を集中させるコイルの内面で最大になります。単純なねじり応力τ=8FD/(πd³)は実際の応力を過小評価するため、設計者はワール係数Kₔ=(4C−1)/(4C−4)+0.615/Cを掛けます。ここでC=D/dはばね指数です。ばね指数が小さい(線径に対して密に巻かれた)ばねはワール係数が大きく、基本式が予測するより早く破損します。

ばね指数C=D/dワール係数Kₔ備考
41.40密巻き・応力集中が大きい
61.25ばねの標準的な値
81.18中程度・機械で一般的
121.12開いた巻き・曲率が小さい

便利な派生値が最大安全荷重です。許容せん断応力を、単位荷重あたりのワール補正後応力で割ると、ばねが設計限界に達する荷重が求まります。ピアノ線とクロムシリコン鋼は古典的なばね材料で、許容応力は線径と荷重の種類(静的か疲労か)に依存します。必ずワイヤー供給メーカーの表で確認してください。

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使い方

  1. ばね材料を選び、横弾性係数と許容応力を設定します。
  2. 線径dと平均コイル径Dを入力します(外径と線径からDを計算することもできます)。
  3. 有効巻き数Nを入力します。
  4. 加わる荷重Fを入力します(目標たわみから荷重を求めることもできます)。
  5. 「計算」でばね定数・たわみ・応力・ワール係数を確認します。

よくある質問

なぜ線径は4乗で効くのですか?

ばね定数の式k=Gd⁴/8D³Nはワイヤーのねじりから導かれ、断面二次極モーメントがd⁴に比例するためです。だから線径をわずかに太くするだけで剛性が大きく向上します。10%太くすると約46%硬くなります。

有効巻き数と総巻き数の違いは?

有効巻き数は荷重を受けたときに実際にたわむ巻き数です。圧縮ばねは通常、端部を閉じて座ぐりするため、端の巻きは平らに座ってほとんど寄りません。閉端のばねでは総巻き数から2を引いてNとします。

適切なばね指数は?

ばね指数C=D/dは4〜12が設計の最適域です。4未満では巻きが密すぎて確実に巻けず、ワール係数が応力を押し上げます。12を超えると横方向に不安定になり、圧縮時に座屈しやすくなります。

ばね線の許容応力はどうやって知りますか?

ワイヤーメーカーが線径と荷重の種類別に許容せん断応力の表を公開しています。ピアノ線(ASTM A228)の2mmでは、静荷重の許容せん断応力が約700〜800MPaですが、1,000万回の繰り返しでは約350〜400MPaまで下がります。繰り返し使用するばねは必ず疲労側の値を使ってください。

セッチングとは何で、なぜ行うのですか?

メーカーは新品のばねを密着高さまで数回圧縮して残留応力を除去し、初期セットを取り除きます。セッチングをしていないばねは初回の荷重で沈み込み、自由長が永久的に短くなってばね定数が変わってしまいます。

引張ばねやねじりばねにも使えますか?

ばね定数の式は有効巻き数のある引張ばねにも同じ形で使えます。ねじりばねはワイヤーの曲げに基づく別の式になるため対象外です。本ツールは軸方向に荷重を受ける圧縮・引張ばねを対象としています。

ヒントとアドバイス

ばね指数は4〜12が実用的な範囲です。4未満では線径に対してワイヤーが太すぎて巻きにくく、12を超えるとばねが柔らかくなり荷重で座屈します。有効巻き数は正しく数えましょう。端部を閉じた圧縮ばねでは、総巻き数から2を引きます。繰り返し荷重を受けるばねは静的強度ではなく疲労強度で設計する必要があり、許容応力は繰り返し回数が増えると急激に下がります。常に遊びの移動量を残しましょう。密着高さまで圧縮したばねは永久変形(セット)を起こし、自由長とばね定数が変わってしまいます。

関連ツール

出典と参考文献

最終確認:2026年8月。

  1. Wahl, A.M. — Mechanical Springs, 第2版, McGraw-Hill, 1963.
  2. ASTM A228 / A401 — ばね線の規格。

制限事項

この計算機は静的な設計推定を提供します。疲労寿命、細長いばねの座屈、動的なサージ、公差、温度や表面状態の影響は対象外です。初期設計に使用し、最終設計は線材サプライヤーまたはばねメーカーと確認してください。

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